うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

わたしの萌えと燃えとゲームの履歴書

競馬にまつわるまじめなお話が続いていたので箸休め的に。
競馬に出会う前までは青春の大半をゲームに捧げたゲーマーであったことには以前触れていたので、そのへんのつっこんだお話。
じゃあ具体的にどういうふうにどんなゲームをプレイしてきたのよという覚え書き。
基本的に思い出という名の個人的見解をつらつら述べているだけなので、山オチ意味なし、得に真新しいことも面白いことも書いてないです。
知ってるタイトルがあったらニヤッとしてください。
(※プレイした順、出会った順の時系列。発売日や新旧は関係なし)

 

聖剣伝説
スクウェアゲームボーイ/小学校高学年頃

記念すべきマイファーストRPGである。
ファイナルファンタジー外伝と銘打っているが、独立した世界観で形成されている。
昔のゲームにはプレイヤーキャラクターにデフォルト名がないのがわりとデフォだったりして、好きな異性で名付けをしてきょうだい友人知人に鼻で笑われた思い出は誰しもあるのではなかろうか。
この作品はヒーローのみならずヒロインの名づけまでできたため、うっかりどうなってしまったかは言うまでもない。
結末が悲恋かつ離別エンドだったのも衝撃的だった。

 

サガ2秘宝伝説
スクウェアゲームボーイ/小学校高学年頃

マイファーストサガである。
ゲームボーイという狭く限られた容量の中、なかなかキャッチーな展開と台詞まわしでストーリーが進んでいく。
が、

「ひほうをよこせ! おれはかみに なるんだ!」
「いまのあんたが いちばん みにくいぜ!」

といった後世まで語り継がれる迷台詞よりもアイテム欄にビームライフルやかくばくだんの並ぶ混沌とした世界観のほうが強く印象に残っている。
子どもはキャッチーなのがお好き。
のちにDS版で発売されたリメイクもプレイした。
小奇麗で遊びやすくなったぶん難易度とインパクトは落ちていたが佳作。

 

ドラゴンクエスト
エニックスファミリーコンピューター/中学校1年生頃

マイファーストドラクエである。
私のキャラ萌えへの目覚めは何をかくそう一章の主人公、王宮戦士ライアンであった。
子ども心にどうやら自分が異端であることが察されて誰にも言えなかった。ちなみに当時中学生。
当タイトルのノベライズ(久美沙織氏による)はマイファースト小説でもあり、そこで描写されたライアンがえもいわれぬ渋さかっこよさだったのだ。
ゲーム自体はつつがなく進行するも4章でパーティーが揃った矢先にぼうけんのしょが無念の消滅。
心が折れていったんドラクエ3に現実逃避。
それから十数年の時を経てDSリメイク版でクリア成った。ただし難易度は数段落ちる。

 

ドラゴンクエスト
エニックスファミリーコンピューター/中学校二年生頃

4のデータ喪失をうけてプレイ。
攻守とも優れた賢者は憧れで、将来の夢に賢者と記したいくらいだった。
そういう人を指す言葉であって職業ではないけど。賢者。

 

ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ
エニックススーパーファミコン/中学校二年生頃

スーパーファミコンのリメイク版でプレイ。
『(器用貧乏な)魔法戦士が好き』という嗜好はドラクエ3の賢者で形成され、この物語のサマルトリアの王子で決定づけられた。
大神官ハーゴンの呪いで病に伏した王子を見て、いわゆる『不憫キャラ』としての萌えも見出していた。
その名残か、今もトリオであぶれるタイプに惹かれる。

 

ドラゴンクエスト
エニックススーパーファミコン/中学校二年生頃

ラストダンジョンを目前にセーブデータが飛ぶ。我ながらおきのどくだ。
実はまだクリアしていないのでそのうちに。
さて5といえばビアンカフローラ花嫁論争であるが、私は幼馴染属性にもお嬢様属性にもさほど食指が動かないので、唐突に立たされた人生の岐路にむしろ「なんでおれ結婚せなあかんねん」という戸惑いしかなかった。
その辺りをのみこめなかったのがクリアまで粘れなかった一因かもしれない。
ほかにも奴隷にされたり石像にされたり二児の父になったりと、何かと忙しい物語である。

 

ファイナルファンタジー
スクウェアスーパーファミコン/中学校三年生頃

マイファーストFFである。
この作品には魅力的な二十代後半の青年が多数登場する。
この彼らの27という魅惑的な年齢が肝で、フィガロ兄弟とセッツァーの年を自分が越えたときは内心非常にショックであった。
それから時を経て再プレイしてみたら、メインキャラクターたちもまた完璧な人間でなく悩める等身大の若者であったことが痛いほどに分かり、これは大人向けのストーリーだったのだなぁと感慨深いものが押し寄せた。

 

クロノ・トリガー
スクウェアスーパーファミコン/中学校三年生頃

最愛はサラ、最萌は魔王。
ここで形成された嗜好により、今も私は物語における姉弟という関係性に惹かれる(あくまで創作上の嗜好であり、リアルでは全く当てはまらない)(というのも私には弟が二人いる)(長子が抱きがちなかなわぬ夢ではあるが私はお兄ちゃんが欲しかった)。
ゲームのほうにものめり込んだ。
私はコツコツとポイントを貯める作業が苦ではないので、比較的序盤のうちに持ち技をコンプリートさせて、あとは楽々でストーリーを堪能することに没頭した。
タイムトラベルものっていいよね。

 

ロマンシングサ・ガ
スクウェアスーパーファミコン/中学校三年生頃

人生を最も狂わされたタイトルである。
(とはいってもやることはやって希望の進路に就学したので、あくまで趣味嗜好的な意味で)
当時は受験生だったと記憶しているが、寝ても覚めてもロマサガで、もし頭をかち割ったら伊藤賢治(俗にイトケン)ミュージックが大音量で漏れ出したと思われる。
よいゲームは戦闘に飽きがこない。そして戦闘曲が素晴らしい。
このころは姉弟間でテレビとゲーム機とゲームソフトを共有していたため当然のことながら『ゲームは一日一時間厳守』であった。
にもかかわらずひとつの技を閃くために、レアなドロップアイテムを奪取するために、時間いっぱい数日間を費やしたこともあった。
そんなこんなで毎日一時間の持ちタイムでワンロード何十時間もよくやり込んだものである。


テイルズオブファンタジア
ナムコスーパーファミコン/高校一年生頃

はじめてのスクエニ以外のRPG。
女子高生にとって三十路を目前にした陰のある召喚士は渋いおじさまポジションであった。
しかし助手という建前の同棲相手の存在がさらに大人感あって意味もなくドキドキしたものである。
このクラースという曲者風の男、生活力のなさ甲斐性のなさと戦闘における頼りがいという絶妙なバランスがなんともいえなかった(※褒めている)。
ゲームパートはダンジョンの謎解きとアクションバトル特有の爽快感が、スクエニゲームのコマンド式に慣れ親しんだ身には新鮮だった。主題歌CDも買った。

 

ファイナルファンタジー
スクウェアプレイステーション/高校一年生頃

時代は次世代機へ。
世の中の流れとしてプレイステーションセガサターンとの二択を迫られたが、後々のことを考えて、きょうだい三人でなけなしの小遣いを捻出して前者を購入。
ちなみにこのゲームをきっかけに高校で出会った同好の志がいわゆる同人女腐女子だったため、そちら側の布教という名の手ほどきを受けた。
なのでいわゆるボーイズラブの心得はあるが、嗜好としての定着はしなかった。
そのかわりに一生ものの趣味として書くこと(この時点では物語の二次創作)が定着した。
そんななかクラウドセフィロスの関係性よりも萌えていたのは、神羅カンパニー内における歪な上下関係と因縁関係であった。

 

ファイナルファンタジータクティクス
スクウェアプレイステーション/高校二年生頃

最も時間を費やしたであろう一本(シミュレーションRPGはシステム上戦闘に膨大な時間を要するので、やり込めばワンロード100時間オーバーすることもザラ)。
このころ英語の授業で習った月の英名は星座システムと聖石の名前と神聖ゾディアックブレイブで難なく覚えた。
またシナリオライター松野泰己氏による難解で癖のあるテキストも刺激的で面白く、独特の言い回しから学習した単語や熟語や漢字が数多くある。
物語のテーマは貴族平民間の溝という深淵なる命題から、主人公が世界の中心で妹を叫ぶような内容にいつの間にか移行していたが、それもまあ。

 

サガフロンティア
スクウェアプレイステーション/高校三年生頃

なんといってもアセルス編。
以下は、優しく寄り添ってくれたお友達でおねえさん的存在の白薔薇姫(女)をうしない失意に打ちひしがれている主人公(女)に投げかけられた言葉。

「じゃあ、口に出して言ってみな。好きだって。」

!!!!!??????

のちにそうした価値観と恋愛スタイル、それに伴う同人的ジャンルがあることを知った。
これまでの価値観をぶち壊されたときその世界観にのめり込むのは必然。
ただし百合の世界には全くハマらず、走って通り過ぎるのみに終わった。

 

ファイナルファンタジー
スクウェアプレイステーション/社会人一年目頃

社会人となってから一番はじめにプレイしたのがこれ。
この物語はヒロインのリノアにどのような感情を抱くかによって評価が分かれると思われる。ありていにいえば好き嫌い。
かくいう私の第一印象は、不思議ちゃんで苦手な女子。
ところが話を進めるにしたがって、ポジティブでこれはこれで悪くない…と思えるように。
自身が社会へ出て学生気分を脱したことによる心境の変化も大きかったのだろう。
主人公らがティーンエージャーで学生だったし。
余談だが昔遊んだゲームを今やり直す、というのは価値観や受け取り方の変化と成長を感情レベルで実感できるのでぜひオススメしたい。時間と体力があるならば。

 

サモンナイト
バンプレストプレイステーション/二十代前半

ひさしぶりにスクエニ以外。
このころファミ通を定期購読しており、ちょうどシミュレーションRPGを遊びたかったので、本誌レビューの悪くなかった本作を購入。
今でいう萌え絵と本格派ゲームの融合系の走りだったのだろうか。
キャラクターデザインは飯塚武史(キノの旅シリーズの黒星紅白)氏である。
いたって普通の高校生が突然異世界に召喚されてしまったらこうなるのだろうなぁというなかなか衝撃的なオープニングから物語は始まる(スラム街で不良少年らからカツアゲに遭う。そしてペーパーナイフ一本で立ち向かう)。
どこかノスタルジーを覚えるようなオーソドックスな展開にクスッと笑えるような今風の感覚が盛り込まれており、ゆるい世界観も相まって逆に新しさを感じた。

 

サモンナイト2
バンプレストプレイステーション/二十代前半

シリーズ続編。
前作の項で記述しなかったがこのシリーズはフルボイスがウリなのである。
かけだし召喚師である主人公の先輩キャラの声を当てているのが緑川光氏で、あのボイスでたびたび「君はバカか!?」と叱責されるのだった。
おかげでしばらくこのフレーズが耳から離れなかった。
そしてオープニングテーマとともに流れる異様に力の入ったアニメーション。
ゲームもゲーム要素だけではなくなってきたのだなぁ、と感じたものだった。いろんな意味で。

 

ファイナルファンタジー
スクウェアプレイステーション/二十代半ば頃

一周回ってスクウェアに帰ってくる。
テーマは原点回帰。
進化はしつつ、ゲーム本来の楽しさを追求した内容になっている。
これは持論だがRPGの面白さはやはりバトルパートの出来と比例すると思う。
簡単すぎても難しすぎてもつらくなる。
本作はスーファミ時代のFFを遊んでいるようでとても心地よかった。
物語の方はというと、サブキャラにかっこいい女性騎士がいて、なおかつツンもデレもいかんなく発揮してくれて大満足だった。
この百人斬りのベアトリクスは、前述のFFタクティクスのアグリアスとメリアドールに並ぶ好きな女性キャラクターとなった。

 

タクティクスオウガ
エスト/スーパーファミコン/二十代後半

FFタクティクスの源流を汲むタイトルとして必ず着手したいとかねてより思っていた。
こちらは民族紛争がテーマ。
ストーリー、システムともによりシビアで骨太。
これを発売当初のリアルタイムでプレイしていたら、また受ける印象も植えつけられる価値観もガラッと変わっていただろうなぁと思われる。
ファーストコンタクトがそこそこ落ち着いた大人になってからだったので俯瞰して見られたのだ(我ながらこれは結構貴重な体験だったと思う)。
よって、より共感できるのはデニムではなくカチュアの方である。
僕は戦いに行く!反対するなんて姉さんは勝手すぎる!と未成年の弟に言わせてしまう戦火の状況こそが狂っているのだ。かなしい。
なおこの物語については、主人公姉弟の機微よりも三章におけるガルガスタン陣営との泥沼合戦に燃えを見出していた。
相対する汎用リーダーにも背景があって奥行きが深い。

 

ドラゴンクエスト
スクウェア・エニックスニンテンドーDS/二十代後半

まさかドラクエの新作を携帯ゲーム機で遊ぶことになるとは思いもよらなかった。
ストーリーよりもコツコツこなすお遣い型クエストや地図探索に精を出した。
装備品が実際のビジュアルに反映するのもモチベーションとなり、自分なりにかっこかわいい着こなしを追求したりしていた。
そして9といえばWi-Fiショッピング(現在はサービス終了)。
毎週マクドナルドへ出向いて通信して、ポテト食べ食べ、装備品やアイテムを買いあさっただものだった。
ゲームと現実の世界がリンクするというのは初めての感覚。
これからはこういうの増えていくんだろうな…新しいムーブメントだな…と言いしれぬジェネレーションギャップのようなものを感じながら、このゲームを最後に新作ソフトはプレイしていない。

 

というのも2007年秋、ちょうど二十代後半の時分にこれまでの価値観を覆す大変なことが我が身に起こり、そして大変なものとの出会いを果たしてしまったためである。
それは冒頭で述べているとおり。
今は競馬というセーブもリロードもきかない、あけてみなきゃわからないびっくり箱のような現実世界のゲームとともに第二の青春を謳歌している。
とはいってもこれまでの私自身をつくりあげたあの魅惑的な箱庭の世界を忘れ去ったわけではない。
今までがあったからこそ、今があるのだ。
だからふと思い出した折にでも、ちょっと帰ってみたいとも常々思っている。競馬にもゲームソフトおよびアプリという展開はあることだし、案外その辺がきっかけになるのかもしれない。