うまいこといえない。

うまいこといえないひとがつたないなりに何かを残し誰かに伝えたいブログ。

好きと趣味と、年齢とモチベーションと

「せっかくの重賞ある日も、メインを見ずに帰ることが多くなってしまったなぁ。」
もったいない気もしつつ早めに切りあげながら、いつからこんなふうになったんだっけとぼんやり考えていた。
競馬場へ行く目当てが障害競走や応援している未勝利、条件馬中心になってきたこともあって、11レースまで現地にいること自体がまれになった。
もちろんメインの重賞やオープン戦ともなれば心躍るメンバーが集う。
居続けて楽しまない手はない。
だけど、このごろ何だかふんばりがきかないのだ。競馬が大好きなはずなのに。
モチベーションの問題なのかなと、ひとりため息をつく。
でもよく考えてみると、モチベーションって、いったい何なんだろう?

今年に入ってからというもの、体力の衰えと、気力が以前ほどわいてこないことに年齢を感じるようになった。
いくら元気な健康体とはいえ三十代も後半戦、なかなか若いころと同じようにはいかない。
もちろんそのとおりなのだけど、もっとこう、
「好きなことのためなら何だってできる!ずっと好きなことしていたい!!」
というはつらつとしたエネルギーが、ほんのちょっと前までは湯水のごとくあふれてきたのに…。
今はほぼ目的のためだけに動き、目的を遂げると「週明けからちゃんと仕事をこなすために…」などと自分に言い聞かせながらすみやかに撤収する。
われながら年をとったと思う。
競馬と出会ってからもう十年が経とうとしている。そりゃあ年をとるわけだ。
でも不思議なことに、老けたというふうには感じていない。
なのでモチベーションがあがらないのと加齢とはちょっと違う問題なのかも、と思い直してみた。

たしかに体力気力の原動力となるモチベーションをあげる瞬発力や持久力そのものは、年代により違ってくる。
年を重ねることによって物事との向き合いかた取り組みかたが変わってくるのは、ごくごく当たり前のことなのだ。
見ているものや興味の対象だって、時の流れや予期せぬ出会いと別れによってうつろい変わってゆく。
きっとそういうことなのだろうなと分かっているにもかかわらず不安を覚えてしまうのは、今までの自分から何かが変わろうとしているからだろう。
いずれ今のままではいられなくなりそうで、でもこれからも日々を暮らしていかなきゃならないわけで、今とこれからの自分にとって必要な変化を迎えつつあるのが私の現状なのだと思う。
これまでがありえないほどに楽しかったからこその不安だ。
変化を受け入れて、できることをささやかに楽しむのか、まだまだやりたいことがある!とあらがうのか。
たぶん好きなもの次第でどちらへもいけるのだろう。

実をいうと、以前のようなパワーが出ない自分にちょっと罪悪感を覚えていた。
競馬を愛しているのに、その気持ちは何ひとつ変わっていないのに、いつしか競馬の中の興味と関心のある物事にしか心と体を動かしづらくなった。
精力的に“好き”に向かっていくひとの若さやひたむきさをまぶしく眺めながら羨んで、「好きならもっと元気が出るはずなのに、私は何でこうなの?」と自分をそれとなく責めていたのだ。
楽しいはずのことも楽しくなくなりそうな悪循環に陥りかけていた。
物事に真面目に真剣に取り組むほどに、レベルアップとともに自らに課すハードルは高くなってゆく。
でもそれって決して義務なんかじゃないのだ。あくまで趣味。
ほかならぬ自分自身が心から好きで楽しくて、こういうことをやりたいなぁっていう前提でなければ、遅かれ早かれ息がつまってくるんじゃないだろうか。
好きならここまでやるのが当たり前、できて当然、できないのは愛や熱意が足りないから…
こんなふうに自らにノルマを課したり、自分ができるからといって他人に対しても同じレベルを求めてしまうというのも、ちょっと違うんじゃないかなぁと。

これは何にも通じる話で、たとえば写真界隈でもたびたび巧拙や道具や出来映えについての話題で盛りあがったりするわけだけれど…
個人的には、被写体への敬意を忘れずに最低限のルールとマナーが守れるのであれば、あとは自己責任で自由に楽しんでいいんじゃないですか、という考え。
だって写真に対するモチベーションだって千差万別なのだから。
プロレベルのガチ勢のひともいれば、好きな馬や人との思い出を残すために撮ってるひともいるだろうし、機材や撮影そのものに意味を見出すひとだっている。
それをみんなおんなじ写真クラスタ!なんてひとくくりにできるはずも、全員の足並みを揃えられるはずもないわけで。
話は横道に逸れたけれど、ちょっと気になることがあったので本題に絡めて結論を出しておいた。

ひとは変わる。
好きなものも変わる。心も変わる。考えかたも変わる。
物事との向き合いかたも、取り組みかたも、熱しかた冷めかたも。
年齢、経験、出会いと別れ、仕事、ライフスタイル。ありとあらゆる事柄から影響を受けながら。
それこそが、ひとが成長と呼ぶものなんじゃないだろうか。
ともあれ今とこれからの私は、これまでの『競馬のいいとこ全部どり!』から『好きなものを好きなだけ』に。
“動機づけ”と和訳されるように、モチベーションって文字どおり、好きなもの、好きなことへの自分の想いそのものなのだ。
うまく気持ちの変化を受け入れることができれば、趣味とも自分自身とも楽しくつきあっていける。
今はまだちょっと戸惑いつつも、そう信じて。