競馬場へ行きたい。
好きな馬や人に会いたい。
元の自由な生活に戻りたい。
自粛生活のさなか、そうつぶやくのはいけないことだろうか。
決してそんなことはないと頭では分かっているのに、なるべく言葉にしないようにしていた気がする。
みんな我慢してるから。
つらいのはみんな同じだから。
そうやって先回りして口をつぐんでいるうちに何も言えなくなっていた。
いつしか言いたいことを言うのに罪悪感を覚えるようになっていた。
でも同時に、私は私の好きな人たちが切なる願いを口にするたびに救われていた。
大いに共感し、もっと言っていいよと心の中から密かにエールを送っていた。
希望は希望を呼ぶのだ。
祈りや願いを口にすることは、わがままでも不謹慎でもない。
生まれながらに与えられた自由と権利だ。
人と関わり、自己を再確認し、健やかに生きていくため必要なこと。
例えばあなたには堪えられることを、私は堪えられなかったりする。
逆もある。
私が堪えられることを、他の誰かは堪えられずにつらい思いをしているかもしれない。
みんなお互い様なのだと思う。
完璧な人間なんていないし、必ずどこか何かが欠けている。
そんな人たちがそれぞれ生きていくうえで、いろんな言葉を口にする。
言葉が人を救い、救われる。想いを分かち合う。
とても素敵なことだと思いませんか。
こんなご時世にあえてSNSをやっていくって、そういうことだと思うんです。
