うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

やってみないとわからないから

陣営のトーンがあがってこないのが気がかりではあった。
もともといつも慎重ではあるけれど。
枠順が確定してからの前日コメントが輪をかけて慎重だったので、なんとなく予感するところはあった。

カツジが抜群すぎた。
2着ステルヴィオ、3着アドマイヤマーズはG1ウイナー牡馬だ。終わってみれば。
サウンドキアラの秋競馬は思わぬ大敗からの幕開けとなった。
スタートもポジションも良く、あとはいつものように直線で弾けるだけ。
でも、きょうはどうにも、道中を見ていても弾けそうには見えなかった。
「思ったより苦しくなってしまった」とは鞍上の松山弘平騎手の弁。
彼にとっても予想外だったのだろう。
大きく離された10着。
格上挑戦となった昨年のヴィクトリアマイル7着はあるものの、こんなに負けたのはいまだかつてないのだから。

一番人気。みんなたくさん期待していた。
改修前の京都最後の重賞に、満を持して始動する京都巧者。
どうしても重賞連勝のインパクトでそうイメージづけされてしまうし、○○巧者は愛される。みんな個性派がお好き。
でもちょっとまってほしい。
彼女はもともと別の競馬場でもしっかり走るし、間違いなく得意ではあるけれど歴代の京都巧者とはちょっと違うのかな、とわたしはずっと思っているのだ。
なので思わぬ敗戦もそんなに不思議ではないし、逆にいえばよその競馬場や条件でも同じように期待できる。
10着という数字をとりあげるとかなり悪い結果に見えてしまうけれど、短距離戦は流れるとどうしてもこうなっちゃう面はあるので、そんなに悲観していない。

陣営のトーンとコメントのニュアンスで何となく予感はあったものの、ネガティブなイメージを思い描いたり懸念を口にするつもりはなかった。
レースが無事に終わるまでマイナスの言葉は出さないと決めているし、なにより彼女なら地力で跳ねかえす!と信じていたから。
もしやと感じることこそあれ、疑うのとは似て非なること。
偏愛なのかもしれない。でもそれでいい。わたしは信じたい。
競馬は、レースは、ゲートが開いて、出てみないと最後までわからないから。

敗戦も糧に。
彼女らしく、この秋を駆け抜けていってほしい。