うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

おれの推しがアニメになった

傘で星皇十字剣の真似してた頃の自分に教えてやりたいよ。
真魔剛竜剣のくだりでいきなり早口になってテンションマックス状態のロンみたくなるよ、きっと。

というわけでダイの大冒険の、魔界の名工ロン・ベルクです。
連載追っかけてた頃から好きだった。脛に傷持つ偏屈な男が好みでな…
主人公パーティーの後方支援組の人が実は最強クラスの戦士だったって設定に燃える。
「オレは自分の強さよりもまず武器の弱さを憎んだ…」とか言ってみたいわ。まず一生言う機会のないセリフだけど。
己の技の威力に武器が耐えきれず肉体が破壊されてしまうっていうの、ちょっと豪速球ピッチャーっぽい。
常に力をセーブしながら戦うっていうのもなんか色気ある。秘密の香りがする。
オレの技に耐えうる剣、ないならつくればいいじゃない。これ完全にオタクの発想だ。
オタクが長じてその道の第一人者になっちゃうのって現実にもままあるよね。

ピュアなオタク、それがロン・ベルク。
まあピュアでなきゃ武器なんか自作せんか。
大魔王バーン様もだけど、ダイ大ワールドの魔族は強さに対してものすごく純粋である。
完全実力主義の超体育会系縦社会。魔王軍ちょっと会社っぽいもんな。魔王軍なのに。
なので中間管理職のハドラーはもちろんのこと、魔法使いで研究者のザボエラでさえ強さに執着していた。
ラーハルトは… まあ彼は半分人間だから…
ロンは強かったし職人としても腕利きだったのでバーン様のお気に入りだった過去がある。いわば社長の愛人枠か。
でも凡作を絶賛されたからへそ曲げて別れた。方向性の違い。
魔剣とか魔槍とかそっちのけでちょっとつよい理力の杖ほめられたら「えぇ…そっち…?」ってなるのはわかる。ナイフでも持ってろ、と言いたくもなる(ならない?)。
違う、そうじゃない。
会心のツイートほどスルーされて適当なつぶやきほどふぁぼられるやつだ。
そらツイッターやめるよ。ちがうか。

記念すべき初登場シーンがアニメで割愛されたのは、真っ昼間っから路上飲酒だったせいだろうか。緊急事態宣言中だもんな。ちがうか。いや、さもありなん。
酒瓶片手に人間の前に姿をあらわす魔族とかそうおらんぞ。宅飲みはゆるされたらしい。いきなりお宅訪問。
飲み代のために適当に剣作って日銭を稼ぐ。かなり人間くさい。魔族なのに。
そんな失望の日々をかき消すかのごとく、ダイたちがあらわれる。
おれの力に耐えられる最強の剣を作ってくれという。神が作った伝説の剣、真魔剛竜剣に打ち勝つために。
「真魔剛竜剣だとぉっ!?」
からのダイナミック酒瓶投げ。しかもサイドスロー
原作だとうっかり落とした!って感じだったのに、この描写の力の入りよう。
あとで片付けてるの想像したらかわいい。まあスティーヌさんが気を利かせて片付けただろうけど。
息継ぎいっぱいいっぱいでベラベラまくしたてるのいい。
同レベルで好きなこと語れる人と出会えたら嬉しいもんな。そりゃあ早口にもなる。
ひとしきり興奮しおえたら瞬時に元のテンションに戻るのもいい。
アップダウン激しいなこの人。あらためて。
アニメのロン、やたらと目がキラキラしてる。かわいい。
声と動きがついたらこんなにかわいくなるのか。
なにかに夢中になってる人はかっこいいしかわいいのだ。

武器職人に最強の剣作ってもらうためにオリハルコン持ってこいっていうの、めちゃくちゃドラクエらしくていい。
そうだ忘れてた、これドラクエなんだ。
ダイ大はドラクエのベースを大事にしつつもドラクエ固執しすぎてないのがいいよね。音楽もそう。
そういえば音楽の林ゆうき氏はシャーマンキングもやってますね。
テイスト違うから全然わからんかった。プロってすごい。

初見で、あれ~いろいろはしょられてるわ、ってなったときはええ~…って正直テンション下がったんですが、ミストバーン戦と超魔ゾンビ戦をアニメで見られるならもうなんでもいいです。おまかせします。ねちねち描いてほしい。
長年の夢が叶った。これが令和だ。(ここまで全部早口)