うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

好きな人馬がえらかった

メイショウカズサがプロキオンステークスをレコード勝ちした。
番手からじっくり進んでゴール前差しきるという堂々としたレースぶり。
あの雷雨の中、人馬とも落ち着いていた。
ハナを切らなければ…と思われていた馬が精神的にも大きく成長した。
しっかりと馬の力を引き出した松山弘平騎手の手腕にも脱帽。このひとはやっぱりうまい。
ゴール後、カメラが寄って大写しになるカズサの顔。相変わらずきれいな栗毛。
AAメンコ、きょうは白い字のほうだ。
安達厩舎からふたたびメイショウの重賞ウイナーが生まれるなんて。
なんて誇らしいんだ。
表彰式を現地で見たかった。
なぜわたしは大阪にいるのか。
この葛藤、何回繰り返したことでしょうね。無上の喜びの中にほんの少しの口惜しさ。
あと二頭出しの相棒マリオマッハーが雷に驚いていたみたいで心配だった。無事に完走したようでよかった。
マリオマッハーもまだまだ強くなるおもしろい馬です。
お兄さんのマリオも登録はしていたんですよ。夢の三頭出し、見てみたかった。

カズサは新馬戦からずっと見ていて、なかなか勝ちきれない未勝利の約9ヶ月間を知っていたから、ほんとうに夢のような戴冠だ。
どんな勝利も特別だけれど、重賞というのは何といっても格別。
なんとかひとつは勝ち上がれるかな、そしたらまた応援できるよね、と祈るように見ていたのだが、陣営にはこうなることが見えていたのかもしれない。まさに信念の結実だ。
カズサは少し前に引退した、長らく厩舎を支えたキアロスクーロの半弟でもある。
そして栞ステークスの勝ち馬、ということは折に触れて言っていきたい。
栞ステークスについては下記を参照されたい。ああ、はやく京都競馬場さんと再会したい。

www.nikkei.com

わたしは、いろいろな縁の積み重ねにより安達厩舎を応援している。
いまは競馬が好きというよりも、好きな馬と人が好き。
そう気づいてからずっと葛藤があった。後ろめたかった。
ぜんぜんいいファンじゃない。好きなものが好きなだけだ。そしていまは競馬場にすら行けない。
そんな自分が命がけで戦っている誰かを応援してもいいのか。
そもそも応援ってなんだろう。いいファンってなんだろう。
でもどんなに悩んでも迷っても、やっぱり好きなものは好きなのだ。
好きという気持ちは抑えられないし、コントロールも説明もできない。それでいいんだ。
もはや愛着とか執着の域なのかもしれないけれど、いまこんなにも嬉しくて心躍っているのだから、これはこれでアリなんだろう。
アリかどうかを決めるのは他人じゃなくて自分自身だ。わたしは好きなものを好いていたい。
まわりまわって競馬が好きってことには変わりないしね。

好きな馬が成長して最高のパフォーマンスをできたのが嬉しい。
好きな人たちが最高の仕事をして努力が報われるのは嬉しい。
明日はコンビニに寄って競馬ブックギャロップと、なにかお酒を買って帰ります。祝杯だ祝杯だ。
わたしの好きな人馬は、すごいしえらいしかっこいい。
ほんとうにほんとうにおめでとうございます。

 

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