うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

てんやわんやマイルチャンピオンシップデー

運がよかった。ただただよかった。
想えば願いは叶うとか、神様は見ててくれてるとか めちゃくちゃがんばったからとか、そんなんじゃなくってべらぼうに運がよかった。
わたしの夢が叶ったのは、どこかの誰かが夢を手放したから。
少しの申し訳なさとともに感謝! どこかの誰かに敬礼!!

 

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キャンセル待ちで前日ギリギリ手に入ったSラウンジ席。
6階はじめて入った。高い。二重の意味で。
置き障害と襷がバッチリ見渡せる。次があるならここで障害レースが観たいと思った。
せっかくのコンセント付きの席だったというのにうっかりタップとケーブルを忘れるという痛恨のミス。
関西の競馬場にもコンビニ入れてほしい。
関東には普通にあってカルチャーショックを受けたものだ。

特等席といえども、感染症対策で席での飲食は禁止。
席の後ろ側でおいしそうなぼっかけカレーを売っていた。
飲食可能スペースがなかなか見当たらなかったので下へ降りていつものようにフードコートでかすうどんを食べた。競馬民的庶民の味。

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14時頃、早くもパドックに入場規制がかかる。密です。
早めに動いててよかった。それでもあんまりいい場所はとれなかった。
いちおう一人一区画になってるけど、区切ってるぶん自由がきかないので狭く感じる不思議。
無観客のときは抽選でいいから入れてほしいと願い、抽選になったら絶対入りたい頼む頼む頼むと拝みたおし、キャンセル分が先着順で売られるやいなや椅子取りゲームに参加し…
ファンっていうのは、ついつい最善を望んでしまうものですね。
少しずつ戻りつつある日常と、それらを維持する関係者の皆様にはほんとうに感謝しております。

周回を終えた出走馬が地下馬道へ向かうのを見届けてから移動したら、もう馬場はいっぱい。
ここも制限がかかってて返し馬も見えそうにない。
これで5000人ちょっとって、うそやん、という気持ち。
せっかくだから上から観るかとSラウンジに戻る。
レースは席のモニターで観た。競馬場にいるのに屋内観戦…。
わたしはサウンドキアラしか見てなかったけど、外からものすごい脚で勝ち馬が跳んできたのはさすがに見えた。
それから少し冷静になって、3着争いも目に入ってきた。
レースは一瞬。
この一瞬のためにみんな熾烈な席取りゲームを勝ち抜いてきたのだなぁ。愛と執念。
キアラさんがんばったねぇという気持ちと、インディチャンプ4着じゃだめだという気持ちと、グランアレグリアこんな強いのに引退なんかい!という気持ちが同居する競馬っていうスポーツの混沌。懐の深さ。
階下では連覇で有終の美を飾ったグランアレグリアの表彰式が執り行われていた。
いちおう歴史的快挙に立ち合ったことになるのか。身体は屋内にあったけど。
ちなみに馬券はズタズタに負けた。悔いはない。

ところで最近、電車でえらく酔う。
コロナ禍における自粛生活で弱ったのは心だけではなかった。
もうあかん~気持ち悪い~途中やけど降りる~とほぼほぼ心が折れかかりながら、だましだまし最寄り駅まで堪える。
寄り道してキアラさんの健闘を讃えるひとりおつかれさま会をやる予定でいたのだけど、酔いには勝てず丸亀製麺でうどん弁当を買って帰った。お昼かすうどんだったのに。
どれだけしんどくてもうどんくらいは食べとこかって思わせてくれるのでうどんはえらい。
うどん弁当を食べたら酔いがさめたから、やっぱりうどんはえらい。うどんをすすりながら日本シリーズを観た。
おつかれさま会はまた後日にでも。かわいいケーキが食べたい。

 

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あと、写真を撮るのがめちゃくちゃ下手になっていた。
これまで曲がりなりにコツコツためてきた経験値がリセットされてふりだしに戻った感じ。
帰って撮ったものを見返してみたら、#馬の写真ヘタクソ選手権 すぎて泣いた。
カメラを一眼レフからコンデジに戻したからじゃない。どうみても自分の腕前のせい。
かなりショックだった。
もともとうまくもなかったけど、慣れっていうのはあるもんで。
レベル1からやりなおし。また現地勘を取り戻さなければ。
筋肉も日々使ってないと弛むしねえ。
そういえば体力もなくなった。
前は朝から飲まず食わずでも一日中集中していられたのに(終わった瞬間一気に空腹と疲れを思い出す)。
これ、遠征とかできるんかな。このよわよわフィジカルとメンタルで。
できるかじゃない、やるときはやる。

なんのかんので絶対に見届けたかったマイルチャンピオンシップを観ることができて、ああまだ競馬やってけるな、好きなものを好きでいられるな、よかったな、なんて思ったりしました。
好きな馬パワーすごい。
わたしはキアラさんだったけど、ほかの馬もみんな誰かの好きな馬なのだ。
好きな馬を応援したくて、一目会いたくて、競馬場へ行く。そんな日常の中の非日常。
誰かを応援する元気がないときもあった。
そんな自分が嫌で嫌でしょうがない時期もあった。
もしかしたら競馬休むかもしれないなと覚悟したこともあった。
でもなんとか帰ってきつつあります。元気。

誰かを応援するってことは、自分もいっしょうけんめい楽しんで、元気に生きるってことなのだ。きっと。