うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

アイラブ、フロレスタ

ちょっと泣きそうになった。
これからあれを家に持って帰って食べられると思ったら、嬉しいやらホッとしたやらで何だか無性に泣けてきたのだった。
だいぶ疲れてる。
冬休み終わりからの仕事やら生活やらでいよいよせっぱ詰まってきて、心も体もくたくただった。
こんなときはあったかい部屋で大好きなおやつを食べるに限る。
通勤経路のスーパーにときどき催事でやってくるそのドーナツ屋さんは、いつのときも一瞬でわたしをご機嫌にしてくれる。
カフェでのんびりするのがいちばんのぜいたくだけど、フロレスタのドーナツに限っては家に持ち帰って食べるのこそが至福。
オーブントースターであたためて表面カリッと、中はホクホクに。
おともはドリップしたコーヒーでも、熱いほうじ茶でも、コンビニのカフェラテやミルクティーでも、パックのコーヒー牛乳でもいい。
素朴なドーナツはそのときの気分にやさしく寄り添ってくれる。 

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 フロレスタを知ったきっかけはやっぱり催事だった。なんと阪神競馬場で出会ったのだ。
秋の恒例イベント、関西蚤の市にこのかわいらしいドーナツ屋さんはやってきた。
やさしいおやつは、推し事でパドックと馬場とを忙しく歩きまわっていたわたしの心とお腹をじんわりあたためてくれた。
おいしくておいしくて、あっというまに完食。
ひとくちで大ファンになったのだった。

さて、こんなにも癒してくれるフロレスタの店舗そのものはわたしの生活圏にない。
四天王寺にも堀江にも、まず出かける用事がない。
八尾も住之江もちょっと遠い。
北花田へは、たまに気合いを入れて自転車でイオンモールへ向かうくらい。
近所に、とまでわがまま言わずともせめて天王寺か梅田あたりにカフェ併設のお店ができればいいなぁと願いつづけている。
けど、たまにしか食べられない、いつくるかわからない、わざわざ遠くまで出向かなければならない特別感がかえっていいのかもしれない。
なにかを好きって、そういうところある。

わたしは粉もんと揚げもんが好きだ。
練って揚げてるドーナツはダブルに最の高。
ノードーナツ、ノーライフ。
食べることは生きること。
なのでもちろんほかの店のドーナツも食べる。街のベーカリーのドーナツも好き。
ミスタードーナツが気の置けない隣人なら、フロレスタはたまにしか会えない、ほどよい距離感の親友だ。
思いがけず会えると泣きそうに嬉しいし、思った以上の元気をもらえる。
食べ終わったそばから今度いつ会えるかなと想いを馳せる。
そうしてるとお腹の底から気力がわいてくる。
さあ、食べたからまたがんばろ。

 

www.nature-doughnuts.jp