うまいこといえない。

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知ることと考えること

satoe1981.hatenablog.com

 

実は、あれからすぐに読んでいたのです。原文のほうも。
「戦争は女の顔をしていない」。
あまりにつらすぎて脳が破壊されたようで、わたしの毎日の暮らしのなかに、見も知らぬロシアの女の子たちのことを考える時間が加わった。
それがようやくやわらいできたかな、というタイミングでウクライナ侵攻が起こってしまった。
受けとめるには重すぎると留め置いていたことが、過去ではなく現在の、令和の時代に起こってしまった。
いやがうえにもこの本の存在を、この本を読んで涙したことを思い出した。
紐解くのは今だと。
あのとき何を書いてたんだろうと読み返してみたら、案の定ぐちゃぐちゃで、現実逃避しかしていなかった。われながらひどい。
戦争、戦場、戦時中では人間性、ましてや性別なんて考慮されるはずもなく、そのせいで破壊された人が、人生があるということを言いたかったらしい。知らないわたしはその事実を知らなければならないと。
でも、今わたしに何ができるだろう? 人間はあまりに無力だ。
こうしている間にもまたあの、見も知らぬ、戦争でぐちゃぐちゃにされた人たちが生まれてつづけてしまう。
国も立場も性別も関係なく、みんなが被害者だ。
知ることで何かが変わるのだろうか?
そう思うこと自体が、もう現実逃避だろうか。

先日、ヒグチアイさんの「悪魔の子」をフルで聴いた。
きっとこの歌を聴いて、ウクライナとロシアのことを考える人がたくさんいる。
そのことにとても大きな意味があると、強く思った。
それと同じだろうか。わたしの、読むことと知ることと考えることにも、意味があるのだろうか。
まだ自分自身を肯定できないでいる。

 


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