うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

人生を自分で動かす

来た道をふりかえる。
わりと流される人生だったのかもなぁと。
自分で決めるよりも、期限が迫ったり、自分以外の何かに決められるほうが気の弱い自分には向いてるのかなと思ってた。
だからいろいろあって挫折したあとは派遣会社で長い年月を費やした。
行き先を探してくれて世話してくれるから気が楽だった。
言われるがままに動いて、淡々と働いていれば間違いないと。
でもわたしはぐちゃぐちゃになった。
ほんとうは納得いってなかったし、ぜんぜん楽じゃなかったんだなぁ。
そりゃそうだ。大事な決断を人に委ねつづけてきたんだから。
ほんとうは、わたしは自分で決めたかった。でもこんな暮らしをしているうちに人生に疲れて気力が衰えていったのだ。

また会社に通いはじめた。働きはじめた。
今度はぜんぶ自分で決めた。拾ってくれるところに運良く出会えた。
弱った心のままおそるおそる外へ出てきたんだけど、今はなぜか心が楽な気がする。
とことん向き合ったのがよかったのか、開き直ったのがよかったのか。
ここが天国だろうと地獄だろうと、やっぱり嫌だと言って他を当たるのも、納得してやっていくのもわたし自身だ。
わたしは会社と社会と人間が怖い。
なんとか出てこられたけど、まだ克服したわけじゃない。
べつに克服できなくてもいいんだと思う。ぐちゃぐちゃにならないよう、うまいことやっていけさえすれば。
人は人との関わりなしでは生きてはいけない。
誰とも関わらない生き方をしたかったけど、よっぽどお金を持ってないと無理だそれは。
わたしの働き方ではまかり間違ってもお金持ちにはなれないので、なんとかうまいことやっていこうと自分で決めた。

暮らしを動かしはじめた。
美容院で髪をととのえてもらった。
髪を切ってもらうのは好きだ。重たい荷物を捨てて、あたらしい場所へ行ける気がする。
恥ずかしながら、引きこもっていたひと月あまりは半分寝たきりみたいな生活を送ってきたから体もぐちゃぐちゃになっている。
猫背、巻き肩、ストレートネック。立っていても座っていても腰とお腹が後ろに引っ込む。全体的にななめ前のめり。背中も弱っている。
やわらかい布団の中でずっとスマホを見ていたから。
だめだなぁと思いながらも入ってくる情報が途切れない。ほとんど依存だった。
でもスマホがなかったら本を読んでいただろうし、何かに依存していたのは同じことだろう。
姿勢矯正と腹筋のストレッチをはじめた。
気になるパーツはいっぱいあるけど一気にやるとつづかないから、まずは真っ先に治さなきゃいけないところから。
体重が5キロ増えた。お腹はお肉になったし、全身にやわらかい肉の皮をまとってるみたいにぷよぷよしている。
わたしは太った。だけど仕事を辞めて人生を休んだのも、自分で決めたこと。
働きはじめて暮らしのサイクルも食生活も元に戻ったから、ある程度は自然に落ちるだろう。
そこから先はまた自分で決める。