うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

ねこを愛でに、カフェへ

わたしはねこが好きだ。
しかし飼うことはできない。
わたしは働いている。
たいして稼いでないし、稼いでないくせに旅行や外出が好きだ。
不定期に競馬場へも行く。
球場へも行ってみたいとか目論んでいる。忙しく家を空けがちな貧乏人だ。
どう考えても、ねこを幸せにできる暮らしをしていない。
ねこは夢。ねこは高嶺の花。
それに自慢じゃないけど、ねこはわたしを避ける。
野良猫だって、こちらを一瞥したあと黙って早足で逃げていく。
そんなわたしが意を決してねこカフェへ行ってみたことろで、ねこカフェのねこにまで拒絶されたら一生立ち直れない。
ツイッターとかYouTubeのねこちゃんを眺めて癒されるだけでいいんだ…
と長らく自分に言い聞かせていたのだけど、うっかりと近所にねこカフェがあると知ってしまった。
あるんだ、近所に。
行くか、ねこカフェ…

 

もっと早く来てればよかった。
ねこカフェのねこちゃんは人懐っこくてフレンドリーだった。
愛情深く育てられているんだろう。人が好きなのだ。たぶん。
膝に乗ってくれたり、スリスリしてくれたり、撫でさせてくれたり、傍らで寝そべったり、思い思いに過ごしてくれた。

 


フラッシュを使わなければ撮影自由だったんだけど、この日は運良くわたし一人だったんだけど、静かなお部屋でねこたちといるとシャッター音が響いて気になった。
わたしが気になるのだから、ねこたちはもっと気になるだろう。
たぶん撮られ慣れてんるだろうけど、何だかあんまり撮るのもはばかられたので、ほんとにちょっとだけ。記念に。
せっかく一緒にいるのだから触れ合いたいし見つめたい。
これ、競馬場であんまり写真の枚数や質にこだわらなくなったのとおんなじだなぁ。
もっと自分自身の眼で彼らの姿を見つめるべきだった。そのへんはちょっと後悔している。
うまく撮れなくたって、彼らは美しくていとおしい。
それをわたしは知っている。覚えている。
だから、ねこたちとの触れ合いの時間も大事にしようと思えた。

このままずっとここにいたい…なんて思っているうちに、あっというまに時間いっぱいになってしまった。
初めてでどんな塩梅かわからなかったから、ひとまず30分だけで予約していたのだ。
今回行ってみたところはワンドリンクで30分660円から。結局飲まなかった缶ドリンクは持ち帰ってあっためて飲んだ。
おやつも買えたのだけど、見てるだけで幸せだったからすっかり失念していた。
次はちゅ〜るあげてみようかなぁ。でもそれは仲良くなってからかなぁ。いろいろと考えてしまうのも楽しい。

ねこは気まま。
ねこは素敵な生き物。
やわらかい体があって、自由な心がある。
ねこと暮らしてる人はよく正気を保っていられるなぁ。
わたしはたぶん外へ出られなくなる。
あんなにも愛らしいものが家にいてたらもう離れたくなくなってしまう。
だから飼わない、というのも多分にある。
「ねこ愛」は誰かの家の可愛いねこちゃんで満たそう。
その選択肢にねこカフェが加わる、記念すべき第一歩だった。またそのうち行こ。