うまいことはいえないが。

書きたいように書いていたい。自分を救いたい。誰かになにかを伝えたい。

ひとりを買い占めて、びわこ大津旅

滋賀へ行ってきた。
ひと月くらい前に決めて、ふらっと近場へひとり旅。
目的は「琵琶湖を眺めながらぼ〜っとする」。
生活に疲れたら水辺へ行くことにしているのだ。それでだいたい元気が出るから。
和歌山か淡路島の海と迷ったのだけど、身近なでっかい湖をいまだに見たことがなかったのがずっと気になっていた。
大津を選んだのは単にいちばん近かったからで、とにかく水の側ならわりとどこでもよかった。琵琶湖大橋の南っかわ、規模でいえばエビフライのしっぽくらいかな。それでもでっかい。
駅からの大通りを北へ進んでいくと水平線が見えてくる。そのときの感動といったら!

 

雨予報から一転、二日とも気持ちよく晴れたので念願のミシガンクルーズに乗った。

遊覧船でまわるところらへんの水は澱んでいて、想像していたようなきれいな湖ではなかった。だけど水面は青空を映す鏡となって、すべてがきらきらとして美しかった。

そんなこと、実際に来て見てみなければわからなかった。

赤い八幡こんにゃくには見た目のインパクトほどのクセも味もなく、「これはきっと、ツルツルときめ細かい食感を味わうものなんだな」ってことも、食べてみなければわからなかった。

 

旅というのは、こういう経験も買うってこと。
大人の権限で、知らない場所をひとりで歩く時間を買う。
そうして日常から離れて、ひとときの自由を独り占めにする。
一泊二日のあいだだけその土地の人となる。
地元の人たちのための花火を、おそらく地元の人たちと一緒に見あげた。

花火って、あがる場所からはあんなにも大きな音がするんだ。これも知らなかったことだ。

 

結論「大津だけじゃあ琵琶湖はぜんぜんわからん!」
なんせでっかい海(あえてこう言わせていただく)なので、たとえば雄琴とか長浜なんかだとまたちがった感想を抱いただろう。
湖水浴ができるくらい水のきれいなところへ行ったらまた新しい感動があるんだろう。
もしもバイク買ったらビワイチもやってみたいし、泳げるものなら泳いでもみたい。水着持ってないから足つけるくらいでもいいけれど。

帰りのお昼に駅前で近江ちゃんぽんを食べて、今回の旅のしめくくりとした。

野菜たっぷりのあっさりスープは、お酢を入れたらさらにさわやかな旨さになった。これも感動のひとつだった。夢中で麺をすすりながら「うちの家族もぜったいこれ好きだろうな」と思った。