うまいことはいえないが。

書きたいように書いていたい。自分を救いたい。誰かになにかを伝えたい。

読んだもの備忘録「白い街の夜たち」

「やる気がない人って 優しい気がする」

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ドキッとするような、棘のある表情がいっぱい出てくる。ちょっとした悪意に満たない意地悪さがそこかしこに出てくる。
読み返すたびにヒヤッとさせられるくらい露骨に。だから一度手放したんだけど、結局、手元に買い戻して置いてある。読み返したらやっぱり好きな作品だった。
若い友だち、級友同士というのはややこしい。嫉妬も優越感も、甘えも干渉も、好意も嫌悪感も、ぜんぶぐちゃぐちゃになりながらぶつかりあう。
だけど等身大で生きている、それぞれに何かを追い求めている、人間くさい人たちのお話。
トルコ料理おいしそう。

 

ファッションデザイナーの卵とベリーダンサー、料理人。
級友、親友、親子、夫婦、師弟。
トルコ料理店とムスリムイスラム教…
こういう世界観のなかで話はゆるゆると進んでいく。
「誰からも認められるのは無理」。
それでもやりたいことなんて、ほとんどの人は見つからないし、貫けないんじゃないだろうか。暮らしがあるとどっかに妥協が入るもの。
なにもわからない、なにができるかもわからない、だけど知りたい、と出会いや衝突を経て大きな決断をした文子とざくろの人生のはじまりが素敵だなと思った。
そう、これは生き方の話。