うまいことはいえないが。

書きたいように書いていたい。自分を救いたい。誰かになにかを伝えたい。

さよなら、古本と古本屋さん

最寄りのブックオフが閉店した。
けっこう大型店舗なのに、なくなるときはこんなにもあっけないのか。
本好きとしてはけしからぬ話ではあるのだけど、古本と古本屋はわたしの生活にわりと密着していた。
気になる作品を一冊買ってみて続きを新品で集めるかの判断材料にしたり、もう必要のなくなった本、合わなかった本を手放しに行ったり。
お金のないときは換金する術としても機能していた。
やがて新しい趣味ができて、忙しさにまぎれて、古本すら買わなくなった。
電子書籍で充分。その電子書籍すらあまり買わなかった時期が続いた。
それから趣味じまいをして、また本を読みたくなったときに、これからは紙で読んで手元に置きたいなと思うようになった。
好きな漫画を何作か買いなおして本棚に仕舞った。
やっぱり、いい。本のある部屋と暮らし。ページをめくる感覚。紙のにおい。美しく凝った装丁。一冊ずつ集めていく喜び。
そうしたらもう古本屋では買わないな、古本は買えないな、と感じた。買ったものを手放すことはあるだろうけど。
先日オンライン買取サービスで手放した二十冊ほどの本はわずかなお金で買われていった。
だけど、いつかどこかであの本たちが必要な人の手に渡るだろう。
わたしは、これからは好きな作品には正規ルートでお金を出そうと決めた。それだけの話だから、古書ならではの出会いをわざわざ否定するつもりはない。