読書
誰かとシェアしてきた本たちがいまのわたしをつくっている。
一度開いた本を、閉じることができない。
これはもはや使命というよりも自傷だと
思い描いていた映像がひとつひとつリアルになっていく至福。
佐伯さんとは何ものだったんだろう?
ときに本は重いのだ。
怖くて不気味だけど美しい。
はつ恋を要約するのは、はっきりいって無理だ。
「戦争は嫌だ」と知るために、思うために、わたしは読んでいる。
いいファム・ファタール。
よりによって本が誤配されるのは恥ずかしい!!
でも、今わたしに何ができるだろう?
矛盾したまま、わだかまりを抱えたまま
恋が人に与える万能感と無力感。
父はこの少年少女になにを想っていただろうか。
おそらくまた彼女の本を手にとるのだろう。
物語じゃなくて現実だ。