うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

望まぬすけべが描かれる世界

うわあ、もうやっちゃったか。

今後の展開によっては好きな作品になるかもしれないな、と様子を見ていた漫画が予想よりずっと早くすけべな展開になってしまったことに幻滅した。ひとりで勝手に。
もっとゆっくり丁寧にふたりの感情だったり、周りとの擦り合わせとか、コミュニケーションを深める過程なんかが描かれていくもんだと思っていたから「えっ…、ええぇっ、もう、そういうことするの!? もう!?!?」と、あまりの展開の早さに作者の思惑以上の強い力を感じてしまった。
これもそういう漫画になっちゃったのか。そうじゃないと思っていたのに。そうじゃなかったじゃん最初は。もっとゆっくり丁寧だったじゃん。だから期待していたのに。そうか。そうなのか。そうだったのか。そうなっちゃったのか。
こっちの勝手な期待が外れてしまっただけ、勝手に期待してただけ、といえばそれまでなんだけど。
やっぱりそういうアプリで連載を持つと、そういうニーズに応えちゃうんだなあ。
恋愛とセックスを描けって言われちゃうんだ、やっぱり。
紙媒体の雑誌で連載がはじまった頃とは明らかに作風とスピード感が変わったもんなあ。
あのアプリの連載漫画、恋愛からセックスへ向かうタイプの漫画が多いし、一抹の不安は正直あった。
気の弱そうな女性がいけめんに強引に迫られながら頬を赤らめたり困り顔してるサムネイルばっかりだし。
女性向けだしまあそういう媒体なんだな、と苦手なものには目をつぶって気に入った漫画だけをお気に入りにして読んでたんだけど、毎日無数のそういうサムネが目に入ってくるだけで胸焼けがしてきてやめた。頭がへんになりそうだったのでアプリ自体をアンインストールした。
みんなそんなに他人の恋愛とセックスの話が読みたいのか。わたしにはわからないよ。
そういう漫画で描かれる恋愛ってすけべを描く口実みたいなところあるしなあ。
そんなに見たい?他人の恋愛とセックス。供給過多じゃない?描くほうも読むほうも望んでるからwin-winなの?
だとすれば漫画、だけじゃないやエンタメが推してくる恋愛至上主義にはついていけないや。

好きになれそうだった作品を、自分勝手な幻滅とともにひとつ失った。これはしょうがないさよならだ。