うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

呪いを解きたいなあ

どこもかしこも恋愛、結婚の話ばかりで疲れる。
リアルでもフィクションでも。
疲れる。そうして勝手に傷つく。
結婚も恋愛も必要じゃないのに、結婚も恋愛も諦めた自分自身に傷つき、それらができてる人をうらやみ、妬むまいと避けている。
恋愛漫画は読まない。ホームドラマも観ない。
結婚出産育児配偶者関連の話題は目に入らないように自衛している。
まるでアレルギーかなにかのように。
わたしが結婚と恋愛を普通の幸せの頂点と思い込む呪いが解けてないからだろう。
わたしの両親は、添い遂げることができなかった。
二人の破局に巻き込まれた子どもだったわたしは、結婚や男女、夫婦関係に何の期待も持てずに育った。
父が母を裏切ってよその家族を選んだこと。離婚後の暮らしの中で子どもではいられなくなったこと。大人になってからあらためて父と絶縁したこと。男性とうまくつきあえなかったこと。
ぜんぶが呪いになっている。
裏を返せば、自分が決して得られなかったものへの究極の憧れだったのかもしれない。
ほんとうは両親の揃った家庭で幸せに暮らして、自然に人を好きになって、誰かを必要とし必要とされて支えあう暮らしができればよかった。そういうものを望める人間になりたかった。
それがわたしにはできなかった。心から望めなかった。ひとりで歳をとった。
自分が普通じゃないこと、普通ができないことにずっと傷ついている。
向いてないし求めてもいないことで傷つきたくないのに、自信もなく生きていると、どうしても負い目となって足を引っ張ってくる。
普通という呪いを解くにはどうしたらいいだろう。
これでいいんだと自信を持つにはどうしたらいいだろう。
普通がどうなんて、本当は考えたくないし思いたくもないのに。ほんとうは普通なんてどこにもなくて、それぞれが思うように生きればいいと理屈ではわかっているのに。
わたしはひとりが好きだ。
人間は嫌いじゃないし好きだけど、常に一緒は無理だし、依存もしたくないしされたくない。
誰かと親しくなっても、ひとりの時間がないとたえられない。
ひとりで自由に生きていければそれでいいと思っているのに、そんな自分はやはりおかしいと罰してしまう自分がいる。
自分で自分を赦せないでいる。
なんだかとても疲れてしまった。