うまいことはいえないが。

書きたいように書いていたい。自分を救いたい。誰かになにかを伝えたい。

「世界にさよならのキスをして」を読んだ。

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小説を読んでいるみたいだった。
絵も言葉も美しくて。
優しいけれど残酷で、やわらかだけど鋭くて。
そんな二面性に危うさすら感じて不安にもさせられるんだけど、不思議な安心感さえもあって。
言葉にできないことを丁寧にかたちづくっていく、心と気持ちをあぶりだしていく、こういう「感覚全振り」な漫画を描く人が今いるんだなあと感動した。この雰囲気、空気の感じ、唯一無二だなあ、と。
「家族でなく血のつながりもなく、他人で他者である男と女の信頼関係の最たるものは恋愛なのか否か?」「恋愛感情をともなわない信頼関係を男と女は築けるのか?」「ていうか好きってなんなのよ?敬愛とか友情じゃだめなの?」というのはわたしの長年の議題でもあって、無限にあるうちの答えのひとつを授けてもらったと思っている。*1
ほんとうに、すごい漫画を読んだ。

パルシィ(に移籍するまでは紙媒体のkiss)で連載されてる義理姉弟の恋愛ものがきっかけでこの作家さんを知ったんだけど、ぽかぽかした日向にあるような「そし惑」よりも仄暗い夜の中にいる「さよキス」のほうがわたしは断然に好き。作者さんも陰寄りの話のほうを描くのが好きっぽい。
作風、作品ごとにガラッと変わるのがすごい。
もっと他の作品も読んでみたくて、先日の関西コミティアのスペースまで行ってみようかなって思ったくらい(結局勇気が出なくて行かずじまいになってしまった)。
同人誌即売会にも積極的に参加されてるみたいだから、思い立ったらいつか。

日々の杏先生。すごい作家さんを見つけてしまった。すごいばっかり言ってる。好き。

 

追加の感想↓

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*1:わたし自身の答えは保留中。考える機会も情熱も、ちょっと今はない感じ。