うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

ゴールデンカムイを読み終わりましたので

とても幸せな時間だった。
物語の世界への飛翔と没頭。
先月からちょっとずつ読んでたものの突然「戦いと暴力の描写がしんどい」期に入っていったん休んでたんですが(進撃の巨人読んでた時も頻繁にこれになった)、また火がついて連休中に一気読みしました。無料期間内すべりこみセーフ。
RPGの早解きしたみたいな達成感もあり。でもまだまだ味わい足りない。
というわけで二周目いきたいので単行本そろえます。いいまんがは紙で読みたい。
ファンブックは電子で買いました。おおむね満足も紙にすればよかったとやっぱり後悔。
この大盤振る舞いにまんまと乗せられた人いっぱいいるんだろうなぁ。
損して得とる、みたいな。
ヤンジャン商売がうまい。

もうおもしろさとかはすでに語り尽くされてるので今さら感あるんですが。
月島軍曹と鯉登少尉の心の揺れを見ていて、信じる者が信じるとおりの偶像でなくなったら宗教ではなくなるし、怒りと幻滅になっちゃうのはごもっともだよなぁという感想がいちばん心に深く刻まれた。
鶴見中尉に夢を抱きすぎなこの二人。偶像が実像でなければ困るという。
怒りと幻滅になってしまえばこれまでの自分を否定することになるから。
信心というのは曖昧で危うい。判断材料は結局自分の中にしかないから。
何かに執着したり心が離れたり、誰かと意気投合したり別れたりっていうのは、そういうことの繰り返しの結果なのかもしれない。
信じたいものが信じるとおりの者であることを願うっていうのは、信頼なのかなぁ果たして。
でも人の心の拠りどころっていうのはわりとそういう不確かなものなのかもしれない。
確かなものなんてどこにもないのかもしれない。人は変わるのだから。
あるとしたら他人でなく自分の中にあるんだろう。でもそれがもっとも危うくて脆い。人は変わるのだから。
愛を装って愛を利用しちゃいかんよ。それは愛でも信頼でもなく裏切りなんじゃないのか。
そのあたりが物語のポイントになるのかなぁとも思ったり。

好きなキャラは門倉部長です。最後まで読んでったらそういうことになっていた。
無能と怠惰を装う忠義の者、という設定がいい。
(ダイ大のロン・ベルクもなんだけど、諸事情があって世捨て人みたいにしてるけど実はすごいおっさんが好きなのかもしれない。あと特殊技能の持ち主とか)
この人はもう達観してて、行く道も決まってて、揺らがない。見ててホッとする人です。
覚悟の決まったおっさんはかっこいい。色気がある。ちょっとどんくさくてかっこわるいのもいい。
なんのかんので最終決戦に突入しちゃったようだし、どうか生き残ってくれという気持ち。