うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

思い出箱をひらいて、前を向く

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秋山さん、調教師になるのですか。なんとなんと。おめでとうございます。
なんとなくそんなイメージがわかなかったから、競馬を離れてるあいだにビッグニュースが流れてきて、ちょっと目が覚める思い。
リーディング争いとはまた別なところで自分自身の闘いをしているというか、淡々と渋い仕事をこなすこの人をわたしは好きだった。好みのジョッキーだった。
え〜と、顔もですね、好みなんですよ。たぶんどっかで言ったことあると思うけど。
飄々としてて、涼やかで、でもちょっと陰もあって。
かっこいい人だった。
わたしにとって、秋山真一郎騎手といえばメイショウウタゲのエニフステークス。
あれは魔法みたいだった。
好きな馬の、好きなレースで、好きな騎乗。
そんなことを懐かしみながら検索をかけてみたら、まさに過去のわたしが書いていた。

 

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そういや書いてたよなあとはうっすら覚えてはいたけど、なんだかめちゃくちゃ照れくさい。燃えてたころに書いた文章って。
だけど、ちゃんと燃えてるときにそのときの熱量で思うさまに書いて残しておくのは大事だなあと再確認もできた。
「この馬を、この人を、このレースをこんなに好きだったんだよ」と昔のわたしが今のわたしに教えてくれた。
情熱を手放すと、すごく好きだったことさえ遠くなる。まるで夢のように。
決して好きじゃなくなったわけじゃなくて、どんどん過去の思い出箱の中にしまわれていく。いちど火を落とした熱情は日常に埋もれていく。
在処がわかるようにきれいに箱にしまっておかないと、とりだして懐かしんで、思い出すことさえも難しくなる。
わたしの思い出箱というのが文章であり、写真というわけ。
好きで楽しくてたまらなかったときにいっぱい残していてほんとうによかった。大事な思い出たちにわたしは今生かされている。

ラストライドは見届けに行こうと思う。行けるところ、可能なタイミングで。
待ちどおしいとか淋しいとか、もうまさに寝耳に水だったからまだまだ実感さえわかないけれど、その日はどんどん近づいているのだ。