うまいことはいえないが。

書きたいように書いていたい。自分を救いたい。誰かになにかを伝えたい。

他人は他人だもの

職場の数人でカレーを食べてきた。
わたしは他の人が自分の話をするのを訊いたり相槌を打ったりする合間に、おかわり自由のでかいナンをちぎってはカレーを掬って、ひたすら口の中に入れていた。
うまく応答はできていたと思う。そういうことはそつなくやるのだ。
自分の話はあんまりしなかった。自分の話をするのは得意じゃないし、訊いてもらうのも申し訳ない気がする。
したい話も特になかったし、ちょっと訊かれて答えたくらい。
それより他の人は、自分が自分の話をしたくてたまらないみたいだったから。
不思議だなあ。
みんなどうしてそんなに、他人に自分の話をしたくてたまらないんだろう。
どうしてそんなに、他人と話をしたがるんだろう。
どうしてそんなに、誰かと一緒にいたがるんだろう。
どうしてそんなに、人の話を訊きたがったり、人の話をしたがるんだろう。
昔から、どうもわたしはそういう欲求が他の人より薄い。
他人に興味があんまりない。
知りたいとか訊きたいとか関わりたいみたいな気持ちになれない。
他人からそう思われることも怖い。
知りたいこと以外は、知らなければならないこと以外は、知らなくてもいいと思う。
必要以上に関わらなくてもいいと思う。
職場ではうまくやれている。
でもそれ以上を求められると怖くなる。
関わりを求めて誘ってくれたのはわかっているけど、ほんと申し訳ないけど興味ないね、関係ないね、とどこかのクラウドみたいなことを思いながら、会話を処理しつつ目の前のカレーと向きあっていた。
わたしはおかしいのだろうか。職場の人は嫌いじゃないけど、尊重もするけれど、会社を出た場所で関わりを深めたいとは思わない。
家族とは関わりたいと思えるから大事かどうかの問題なんだろう。
スポーツ選手がどうやってスランプから抜け出したとか好調の理由なんかは知りたいと思うから、興味の問題なんだろう。
好いてもらえるのはありがたいことだけど、やっぱり怖い。
だって、ありがたいからって同じように好き返すことはできないもの。
他人は他人だもの。
だからせめて、誠意を持って丁寧に接している。