うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

大切なことはすべてダイ大が教えてくれた

なんだかアニメでみたら、大魔王バーンが背負う強者ゆえの哀しみや切なさが倍増しに感じられてよかったです。
声と音と色と動きがつくってすごい。

ダイとバランの「太陽になる」って表現、いい。
ダイ、太陽になる。
バーン様が欲した太陽に。
太陽の力でバーン様をとむらう。
バーン様、最期は太陽とひとつになれて本望だったかな。
「バーン様、太陽が欲しかっただけなのに…」とも思わせてくれるからいいんだ、ダイ大は。
そしてバーン様の孤独や哀しみをも解し、さよならを言うところがダイのよさ。
強くて優しい主人公はいっぱいいるけど、くわえてダイはどこまでも透明で純粋。そこが好き。

決戦のあとにロンが「ダイは死んでないよ〜そう剣が言ってるよ〜」って言ってくれるのがいい。
アニメのロンはめちゃくちゃ作画とキャラ作りに気合いが入っていた。
ちょっと、いやかなりイメージ変わるくらい。原作至上主義なのに。
わたしの推しは学生の頃からずっとロン・ベルクです。初登場から最終回までロンがキラキラしてたので大満足です。
なのでロンのスピンオフが読みたい。
剣術を極めた幼少期から強敵との対峙で武器もろとも両腕が壊れるところ、さらに魔界の名工時代、そしてダイたちとの出会い、それからノヴァを弟子にとってのセカンドライフ
漫画がいいけど彼のあの雰囲気を表現するのは稲田先生以外には存外難しそうだから、三条先生原作の小説で読みたいな。これが次の夢かな。
え、自分で書けばいいって? それもありか。否、イメージぶっ壊すだけだから当然書かないけど。

ダイの大冒険は旧アニメから入って漫画を読み、今の今まで、子ども時代からほぼ人生と並走してきた相棒みたいな作品。
落ち込んだらダイ大を読みかえす。
彼らが紡ぐたくさんの言葉に力づけられてきた半生だった。
いちばん好きなのがアバン先生の「正義なき力が無力であるように、力なき正義もまた無力なのですよ」という台詞。
正義論を語る数多の言葉の中でもっとも腑に落ちる格言として、ずっと胸の深いところに鎮座している。
心優しいマァムが力をふるって戦うための後押しとなった言葉。
ああそうだ、マァムの話もどこかでしたかったんだった。
マァムはバトル漫画における戦う女性キャラとしてちょっと割りを食ってしまった印象があって、そこだけわたしは残念だった。
急にふってわいてきた恋愛、異性との関係に悩む姿がラストバトル直前にクローズアップされて「それは周りから答えを急かされるんじゃなくって、彼女のタイミングでゆっくり目覚めていってほしかったなぁ」と何度も思った。
う〜んでもアルビナス戦の布石になってるしなぁ。彼女自身の成長を描くうえでは必要ではあったんだけど。
のちのちにNARUTOのサクラを知って、マァムはこういうふうになれればよかったんかな、とも思ったんだけど、マァムはマァムだしサクラはサクラだからなぁ。それは違うか、とすぐに思いなおした。
いろいろ言われてるけど、完璧じゃないけど、わたしは優しいゆえの甘さも含めてマァムのことは人間らしくて好きだ。

とりとめもない語りになってしまったけど。
もっと語りたいこと山ほどあるはずなのに、大切すぎてうまいこといえないや。
ダイの大冒険、ほんとうに最終回なのか。
よくここまでやってくれたよ…
2年で100話。
100点満点とすれば120点、いや200点、いや1000点だったよダイ大は。
青春時代から抱きつづけてきた夢をすべて叶えてくれたリメイクだった。
幸せ。感無量。生涯の宝物をありがとうございます。