花の金曜日、家族と鶏白湯鍋を囲んだ後ぐっすりと眠った。
9時から朝の5時くらいまで。驚くほどに深い眠りだった。
熱燗であったまってて、仕事で疲れてたのもあるけど、あれはもう「落ちる」感覚だった。
晩酌してる人はこういう感じで毎晩寝るんだろうかと想像したらちょっと怖くなった。
ふと家族が心配にもなった。
お酒、人間に及ぼすパワーがちょっと強すぎる。
わたしは飲むよりも食べるほうが圧倒的に好き。
お酒を飲みながらだとお腹がふくらんで食べたいものが食べられない。
お酒に個性がありすぎて食べ合わせも限られてくる。
だから食事にはお茶。
主食はお米、お米じゃない日は麺か粉もんを食べる。
太るメニューなんだろうけど、ごはんで節制してストレスをためると間食に走って不健康になる。
カラムーチョや甘いものを過剰摂取してしまうのだ。
そして肌も体もメンタルもボロボロに…
ごはんをおいしく食べるのがいちばん自分の健康には合っている。
だからキャパシティ以上に痩せることはやめた。
無理ながんばりは続かないから。
痩せたとしても、ストレスがたまって不機嫌なぶさいくになるだけだから。
ストレスを抱えた同居人たちは「飲まなきゃやってられない」「これが生きがい、楽しみ」と言う。
でも飲んでる彼らはときどき「飲まれてる」ように見えちゃうんだ。
なんか怖いんだ、お酒。人や体を変えてしまうみたいで。
わたしのストレス解消はカフェに行ったりお風呂に入ったり、買い物したり公園を散歩すること。
それと同じかな、お酒が好きな人にとってのお酒。
依存性という観点ではちょっとカテゴリーが違うような気もするけど。
でも、ないと生きてけないくらいに飲むことが大事なんだろう。
わたしもときどきストレスでイライラしちゃうからな。お互いさまか。
もうみんな歳だし体に気をつけて飲んでほしいな。煙草も吸う人たちだし。
大人になってからは素面の時よりも飲んでる状態のほうが接してる時間が長い。
そういうときは話が噛み合わないことが多い。
彼らはそれで楽しそうなんだけど、わたしはあのふわふわした感じをあんまり共有できない。
淋しいのかもしれない。自分ひとりだけお米をもりもり食べるのが。「一緒に暮らしてるのに同じになれない」のが。
まあ、ごはん食べないとだめになるから仕方がないのだ、わたしは。
ときどきは晩酌につきあうから、いいのだ。
鍋とおでんの時の日本酒は好きだから。