うまいこといえない。

うまいこといえない人がつたないなりに誰かになにかを伝えるための場所。

3月22日の備忘録

ああ勝ったんだな、と察した。
昼休みに入ってツイッターを開いて目に飛び込んできたのは、「最後」「トラウト」「三振」。
さらにさかのぼって、ほかならぬオオタニサンが締めくくったのだと知る。
「そんなことある!?漫画か!!」声に出た。事実は小説よりも奇なり。
リアルタイムで観たかったよなあ。

でもわたしはきのう、自分の仕事と暮らしをがんばろうって決めたので、なんとか一日を成し遂げたのだ。
ゲームは夜の再放送で観た。
結果が分かっていてもおもしろかった。ぜんぶが名場面だった。

大谷翔平くんが出てきた頃わたしはあんまり野球を知らなくて、なにも分からないうちに海の向こうへ行ってしまったから、彼がどういう人物なのかをよく知らなかった。
どんどん神のようになっていく彼を、「なんかよくわからんけどすごい人なんだなあ」とぼんやり眺めていた。
野球を知っていくほどに「よくわからん」は畏怖と遠慮になっていった。
でも今大会で、ほんとうのことを知れてよかった。
彼は神なんかじゃない、誰よりも純粋で無邪気な野球少年だった。
彼の無邪気なプレイに呼応して、みんなが引っ張られていく瞬間があって。
侍ジャパン、ほんとうにいいチームだった。
その中に虎の中野拓夢と湯浅京己もいて、なんだかもう感無量だった。
幸せな時間だった。今まであんまり知らなかったみんなのことを知れて、みんなのことが大好きになった。
こんなにも楽しいスポーツ観戦は初めてだったかもしれない。
スポーツって勝負だから、どうしてもひりついてしまう。真剣勝負であればあるほどに。
選手たちが真剣勝負の中にありながら心から野球を楽しんでいるのが伝わってきて、嬉しかった。清々しかった。
超プロフェッショナルたちの超一流の遊びに酔いしれた。
気持ちのいいヒリヒリだった。